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活動報告

Report

無責任の極み

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民主党を中心とする野党4党が先日、後期高齢者医療制度の廃止法案を参院に提出した。

「相変わらず、いつものように批判をしているだけ。では、どうすれば良いのか。撤廃したって問題解決になるどころか、後退してしまう。無責任すぎる!そんなことないというなら、是非、対案を出してほしい。
当然、数値的なものもだし、国民にわかりやすく説明してほしい。」

廃止法案が出されたときに、まず、私はそう思った。

そんな矢先の5月24日朝刊の読売新聞社説に「混乱を増すだけの廃止法案」が書かれていた。

是非、参考に読んでほしい。

「後期高齢者医療制度はその呼称を含め、配慮を欠く面が目立つ。不備や欠陥など問題点が多いことも確かだ。
しかし、新制度のすべてを否定して白紙に戻すというのは、混乱をさらに広げ、長引かせるだけだろう。

野党4党が後期高齢者医療制度の廃止法案を参院に提出した。ところが、新制度を撤廃した後にどうするのか、対案がない。

とりあえず、従来の老人保健制度を復活させるという。これでは、あまりにも無責任ではないか。

生じている混乱の原因は、厚生労働省や自治体の対応のまずさにある。主に75歳以上が対象の大きな制度変更なのに、高齢者に配慮した説明や準備を怠ってきた。そのため、感情的な反発が先行している。まずは冷静に、制度の長所と短所を検討の俎上に載せるべきだろう。

ともかく廃止せよ、議論はそれからだ、という野党の姿勢は、拙劣の上に拙劣を重ねるようなものだ。

新制度が周知されていないのと同様、従来の老人保健制度に大きな問題があったこともまた、十分に知られていない。政府・与党はそこから説明が不足している。これまでも75歳以上の人は、主に市町村の国民健康保険に加入しながら、老人保健制度の枠組みに入っていた。その医療費が膨らんだ分は、企業の健保組合などが拠出金で支援していた。

ただし、現役世代がどこまで支援するかが明確ではなかった。後期高齢者の医療費が必要以上に膨らまぬよう、誰が責任を持って取り組むかも判然としなかった。保険料も、市町村の財政事情によって大きな格差が生じていた。
老人保健制度の歪みが限界にあるのは与野党の共通認識だったはずだ。2000年の医療制度改革で参院が関連法案を可決した際、共産党を除く各党で『早急に新たな高齢者医療制度を創設せよ』との付帯決議を採択している。

新制度で老人保健制度の問題点は改善しており、再び後退するのは望ましくない。利点は適切に評価してさらに磨き、欠点を迅速に改めていくべきだろう。

野党の攻勢に、政府・与党は大あわてで制度の見直し作業に入った。ところが、負担増になる高齢者の救済策として、バラマキのように幅広い減免措置を検討している。これもまた拙劣だ。

政治が右往左往する間にも高齢化は進む。必要なのは建設的な議論であり、目先の人気取りで拙劣な対応を競うことではない」

そしてこれについて、中川秀直先生が次のように述べている。

社説で指摘している「ともかく廃止せよ、議論はそれからだ、という野党の姿勢は、拙劣の上に拙劣を重ねるようなものだ」は正論である。理由は、従来の保険制度の歪みが限界にあるのは与野党の共通認識だったはずだったからである。
社説も指摘しているように、2000年の医療制度改革で参院が関連法案を可決した際、共産党を除く各党で「早急に新たな高齢者医療制度を創設せよ」との付帯決議を採択している。なのに、共産党以外の野党は廃止法案で元の制度に戻せとはどういうことか。2000年の付帯決議は忘れたのか。
旧制度に問題点があったから、新制度に改めたのであり、それを元に戻すだけでは旧制度の問題点はそのまま残る。
国民が求めているのは「新たな高齢者医療制度」vs「新たな高齢者医療制度」の政策論争ではないか。しかし、新しい制度を提案すれば誰かの負担は増えるかもしれない。それが政治的に不利だからと、元に戻せというのはあまりにも無責任ではないか。
旧制度の問題点の最たるものは、高齢者の多い市町村での国民健康保険の財政破たんの危機にあった。それを新制度によって、都道府県単位の保険料格差を5倍から2倍に縮小し、負担増を負担減にし、財政破たんの危機に歯止めをかけたのである。高齢者に1割負担、現役世代で4割、国税で5割の負担の原則を明記した新制度は、旧制度の最大の問題点である国保の財政破たんを解決する道筋をつけたのである。高齢者の1割自己負担がその要諦である。
しかし、民主党など野党が主張する廃止法案とは、その高齢者の1割自己負担を廃止せよというのである。まさに、財政破たんを放置せよと同義である。6割の市町村の国保は赤字である。そんな状態に戻せといえば、「野党発の第二、第三の夕張」がでてくるだろう。
高齢者医療の中には一人あたり1000万円もかかっているものもある。小さな町で、そうした高齢者を多数抱えることになったらどうするのか。広域化して支える以外にどんな選択肢があるのか。
かつて、沖縄返還のとき、何が最も沖縄の方に喜ばれたかといえば、本土復帰で国民健康保険制度に加入できて、重病にかかっても、家族の人生に迷惑をかけることなく、医療を受けられるようなにったことだという。野党の廃止法案は、市町村によっては国保財政を破綻させ、結果的に、国民皆保険体制を崩壊させることにつながるのではないか。
NHKの直近の調査(5月9-11日)で、後期高齢者医療制度についてどう思うかの設問に、制度を廃止すべき33%、制度を維持した上で見直しを進めるべき54%、新制度のままでよい7%となっている。新制度廃止は33%に過ぎず、新制度維持が61%である。民意は、旧制度に戻すのではなく、新制度を維持した上で見直しを進めるべきとしているのである。この民意からすれば、民主党を中心とする野党4党の廃止法案提出は、無責任の極みであり、拙劣の上に拙劣を重ねているとなる。
いいかげんに、選挙第一主義をやめたらどうか。民主党には、2000年の付帯決議の精神に戻り、「新たな高齢者医療制度」の具体策を、給付と負担の金額を含めて明らかにすることを、強く望む。
いまこそ改革競争をしようではないか。
マスコミにも、この社説にあるように、民主党に対して責任ある対応を強く求めてほしい。もちろん、自民党の一部が選挙目当ての無責任なバラマキに走りそうなときには、大いに警鐘を発していただいて結構だ。歓迎する。

中川先生のコメントで理解していただいたと思います。私もいつも勉強させていただいています。
写真は本日の桶川商工会総代会、三枚目の写真は、上尾鉄道輸送力推進協議会で挨拶をしているところ。

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