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活動報告

Report

太陽経済に向けて

00011産経新聞「正論」に、千葉商科大学学長の島田晴雄先生が追加経済対策について書いている。

少し長い文章かもしれないが、是非読んでいただきたい。元気が出るし、日本が向かうべき経済・社会のヒントが書かれていると思う。

島田先生が述べられているように太陽経済に向けて世界の知恵比べの時代がはじまった。

すでに日本が世界をリードする太陽光発電・電池・超伝導技術、またICTを駆使したスマートグリッド。そして、日本の広い領海を利用して海洋バイオの開発。今後も政治はこれらの事を考え、先を見据えた総合的な誘導政策をとっていくべきである。

 

 

題「太陽経済への流れ見据えよ」

 

≪追加経済対策に盛り込む≫

 

 

昨年末、この欄で、「太陽経済の時代を拓こう」との一文を書かせて頂いた。その後、太陽経済への動きは内外で急速な進展を見せている。オバマ大統領は、1月の就任演説で、「太陽と風と大地の力を利用して、車に燃料を与え、工場を動かそう」と問いかけた。同政権のいわゆる「グリーンニューディール」の着手宣言である。日本政府は4月10日、事業規模56兆円の追加経済対策を発表したが、その中で、太陽光発電の普及促進、低燃費車の買い替え補助、省エネ家電の購入補助などを盛り込んだ。これらは環境対応と新エネルギー開発を大きく促進する効果をもつだろう。私の身近でも、いくつかの注目すべき動きが進んでいるので、紹介したい。ひとつは、山崎養世氏の主唱する「太陽経済の会」の発足である。この3月4日に一般社団法人として活動を開始したこの会は、企業や産業人、政治家、僚、メディア、研究者などの会員を糾合、もしくはネットワークし、太陽経済に関する情報を集積・分析し、政策や企業戦略に資する提言や研究を発表してゆく。

 活動は国内だけでなく、中国、インドあるいはアラブ諸国などとも密接に連携して進める。こうした組織の活動が発展し情報集積が進むと、知的な価値創出の凝集力と発信力が高まり、太陽経済実現の有力な核に育つ可能性がある。

 いまひとつは、3月26日に発表された「関西メガ・リージョン活性化構想」だ。関西には多くの産業、技術、文化、人的資源があるが、近年、首都圏などにくらべ地盤沈下が指摘されてきた。「構想」委員会は、この地域の多様で豊富な資源が、必ずしも適切に連携されず本来の相乗効果や潜在力が生かし切れなかった点に注目する。そしてさらなる重点強化、協創、連携、開放などをキイワードに、世界経済の復活に貢献しうる関西の新たな役割を極めて現実的、具体的に描き出している。

 

 

≪関西や近畿圏でも活発に≫

 

 

とりわけ注目されるのが、太陽経済を担う関西の可能性だ。パナソニック、三洋電機、シャープ、三菱電機、京セラなどの大手のみならず、ロボット、高機能部材、コンテンツなど優れた技術をもつ多くの企業の集積を基盤に、要素技術の開発とその応用が試みられている。堺市臨海部には関西電力とシャープが中心となり、最大出力28MWのメガソーラー発電計画が進展中だ。

 近畿では、リチウムイオン電池など蓄電池に高い技術をもつ三洋電機やパナソニックの製造拠点に加え、京大宇治キャンパスに革新型電池の先端技術基礎研究拠点が設置される予定だ。部品点数の多い家庭用燃料電池のコスト削減のための中小サプライヤーとのマッチング事業や効率の高い直流電力住宅の実験が行われ、環境意識の普及を目指して大阪駅北ヤードには低炭素モデル都市が、またパネルベイには太陽エネルギーと先進環境モデルを総合したスーパーエコショーケース、水素電池と水素自動車の普及をめざす大阪ガスの水素ステーションも展開する。

 一方、東京に隣接する川崎市は従来、時代の進化に応じた臨海部の発展を企画・支援してきた。3月27日には太陽エネルギーを活用した新しい社会システム開拓をめざすシンポジウムを開催した。川崎には新エネルギー開発や環境技術に優れた企業が数十社集積している。当日は、まず東京電力がメガ・ソーラー発電計画、余剰電力買い取り制度、ガスと蒸気を併用する効率発電機、温暖化対策としてのヒートポンプの普及努力などを報告した

 

 ≪総合的な政策設計が必要≫

 

さらに、太陽光発電で世界をリードするシャープが、新エネルギーの発電コストがこれまでの電力と同等になるためにさまざまな技術を総合的に開発するシナリオを示す。大型リチウムイオン電池の開発に注力するベンチャー企業、エリーパワー社は、省エネ、創エネとならんで、蓄エネの重要性を強調した。

 

 川崎市はこうした優れた企業の立地と集積を支援すると同時に、住宅や公共施設への太陽光発電設備導入を補助金などで促進したり、また川崎の産業集積のもつ能力を世界に発信するなどの取り組みを紹介した。隣の横浜市や神奈川県も積極的な努力を行っており、太陽経済をめざす地域の政策が浸透しつつある。

 

 日本企業はこれまでも太陽光発電、燃料電池、蓄電池、電気自動車などすぐれた要素技術を発展させてきた。しかし、人々の生活や産業社会が太陽光によって快適かつ円滑に営まれる本格的な太陽経済を実現するためには、さらなる課題がある。日本が得意な電池や超伝導技術、またICTを駆使したスマートグリッドで世界をリードする。広い領海を利用して海洋バイオの開発を進める。それらの成果を人々や社会が太陽経済として享受できるよう総合的な誘導政策を設計することが必要だ。

 

 太陽経済に向けて世界の知恵比べの時代がはじまったように思う。

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