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活動報告

Report

そのとおり!

毎日の発言席に、放送大学学長・石弘光氏が「公約の真贋見定める眼力を」書いている。

そのとおり!と思い掲載する。

「いま、われわれ日本人の眼力が試されていると思う。これは選挙における各政党の主張が、耳に心地よく響きはしても本当に日本のためになるのか、あるいは単に選挙向けの無責任な人気取りのためなのか、真贋を見定める能力といってよい。

7 月に実施され、さまざまな話題を呼んだ参議院選挙は、自民党の歴史的な大敗、民主党の躍進で幕を閉じた。今回の選挙では早くから与野党とも国民に不人気な 政策メニューを表に出さずに、争点隠しに走っていた。この傾向は政権担当に責任のある自民党より、比較的気楽な野党第1党の民主党に顕著であったといえよ う。

選挙になるといつも国民は、ごく近視眼的な視点から懐勘定をし、自分にとって有利になる政党の主張に1票を投じがちとなる。不人気 な、かつ厳しい選択でも、中長期的に考えたら日本にとって絶対に必要なものがあるとは考えない。各政党が実現可能性の乏しい甘い政策のみを選挙公約に掲げ るのは、国民が政策判断力を持っていない、つまり、ここで言うところの眼力が国民にはないと見くびっているからだ。

例えば今般の選挙で特 に国民に眼力が求められたのは、次の2点であったと思う。第1が、本当に将来日本にとって消費税率の引き上げなしでやれるのかという点である。小泉純一郎 前首相は『自分の在任中は引き上げない』と言明、逃げ切った感がある。その間も社会保障給付は伸び続けているので、年金給付は削減され保険料は引き上げら れることが決まり、医療でも高齢者を含め自己負担が増大した。また介護でも認定が厳しくなり、生活保護費は支給を受けるのが、いっそう難しくなっている。 国民の安心と安全が脅かされているのだ。多くの国民はこのために、消費税で財源を調達しなければ国のセーフィーネットが維持できないと考え出している。そ れなのに与野党とも選挙の折、この消費税問題を正面から国民に説明せず、ほおかむりの状況である。特に消費税率5%の据え置きを公約とした民主党は、党内 にも異論がある。それだけに、整合された政策論として、同党がいかなる説明を今後展開するのか注目している。

第2が、財源の手当ても無い ままでの歳出のばらまきである。選挙の折、さまざまなばらまき案が公約されたが、とりわけ国民的な議論を必要とするのが、民主党の農家の戸別所得補償であ ろう。日本の農業の競争力を高め、今後自立させていくためには真の意味で働き手のいる農家に農地を集約し生産性を向上させるしか方法はない。戸別に補償し たら、いたずらに非効率的な農家を温存するだけである。これはたしかに都会側の意見かもしれないが、将来の日本農業の発展を見通すなら直接の利害関係者を 除き、多くの国民が民主党案ではいいとは考えないであろう。しかしながらこと選挙になると戸別に恩恵を与えるこのばらまき政策が、地方の1人区において集 票にひときわ威力を発揮したことは疑いない。

総じて言えば、数々の国民迎合的な甘い政策の連発が、民主党の躍進につながったことは明らか である。政略として優れたものであろうと、少子高齢化のもとで先進国最悪の財政赤字を抱えているなかで、日本の将来にとってこのような選挙向けの人気取り 対策が本当に必要な選択なのか、改めて考えるべきである。国民の眼力が試されている。政権交代を目指すというなら民主党の責任は大きく、このままでは早晩 自滅するであろう」

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