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活動報告

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「異常な国」「大きな政府」

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東京新聞の「時代を読む」に、ジェラルド・カーティス・米コロンビア大教授が「民主党の躓き」を書いている。それについて、私の尊敬する中川秀直衆議院議員がコメントをしている。是非読んでいただきたい。そのまま掲載させていただく。

ジェラルド・カーティス・米コロンビア大教授

「は たして民主党は、7月の参院選での自民党敗北を、来るべき総選挙における勝利につなげることができるのだろうか。可能性は十分ある。だが、有権者は、民主 党が政権党となって行うだろう事に懸念を抱けば、民主党に政権を取らせるよりは、不満でも、長く政権党の経験がある自民党の支持にとどまるだろう。民主党 は、対外関係をうまくこなし、経済運営と社会問題の処理ができるとの信頼感を浸透させる必要がある。だからこそ、有権者に能力を疑わせるような政策や発言 は避けなければならない。

ところが、民主党はすでに2つの大きな間違いを犯したように思われる。しかも、参院選勝利から数日もたたぬ間 に。まず、郵政民営化凍結法案を提出したのは、仰天するほどだ。国民新党を民主党との統一会派に引き込むためだが、古い自民党の政治構造復活を願う政治家 との提携であると同時に、前回の総選挙で示された有権者の選択を歯牙にもかけないとの宣言であることが驚きなのだ。

民主党は、7月29 日の参院選で大敗した安倍晋三首相が辞任しないのはおかしいと主張している。ところが、2005年9月、当時の小泉純一郎首相は、有権者に郵政民営化を支 持するかどうか意思表示する機会を与えるため総選挙を実施、大勝した。小沢一郎代表が今、民主党は郵政改革をストップさせると言うのは、有権者の選択を尊 重しないと言うに等しい。安倍首相を交替させない自民党を批判できる立場を自ら放棄したようなものではないだろうか。

もう1つの問題 は、11月に期限が来るテロ特措法の延長問題で、小沢代表が説明した反対理由だ。私は、この法律を延期せず、新法を制定する十分な理由はあると思ってい る。・・・政府はこの法律に基づいて海上自衛隊が遂行している任務について、より詳細な情報と具体的なデータを国会に提出すべきなのだ。だが、小沢代表 は、それが先ず『米国の戦争』であり、米国がアフガニスタンでタリバン攻撃を開始する前、国連安保理が決議を行わなかったため、テロ特措法延長に反対だと いう。01年9月11日の米中枢同時テロの日々を記憶している人々は、もし日本が何もしていなかったら、日米関係がどれほど危機に陥っていたか、日本がい かに国際社会で孤立したかを分かっているはずだ。

小沢代表は以前、日本は『普通の国』になるべきだと主張していたが、自国の外交政策を 国連安保理決議の人質にする普通の国が、どこにあるのか。安保理が決めたことを尊重するのは国連加盟国の義務だが、安保理が決めないと何もできないという 国はどこにもない。政府の最大の責任は国を守って国益を追求することだ。そのために日本は何ができ、何ができないかを規定する役割を国連安保理に任せるの は『異常な国』としか言いようがない。

民主党は次の総選挙で政権を獲得する絶好の機会を得ているが、それを生かすには、よほどの巧みさ が必要だ。自民党はこれまで『生存の本能』が働き、危機を克服し、政権を維持してきた。安倍首相では総選挙に勝てないと判断すれば、選挙前に辞任させるの は間違いない。民主党が、自民党が権力を失うのを期待するだけでは、いつまでたっても獲得できない。勝利するためには、国会内戦術より、有権者の支持を得 るための戦略が必要だ。最初からつまずいていると、喜ぶのは自民党だけである」

中川秀直衆議院議員(前幹事長)

「自国の 外交政策を国連安保理決議の人質にする普通の国が、どこにあるのか。安保理が決めたことを尊重するのは国連加盟国の義務だが、安保理が決めないと何もでき ないという国はどこにもない。政府の最大の責任は国を守って国益を追求することだ。そのために日本は何ができ、何ができないかを規定する役割を国連安保理 に任せるのは『異常な国』としか言いようがない」

カーティス氏が正しく指摘しているとおり、93年の小沢氏の持論であった「普通の国」 は、いつのまにか変節して「異常な国」になっている。それでも、小沢氏は、「テロ特措法に賛成しなければ政権担当能力がないという議論はむちゃくちゃだ」 と述べている。「むちゃくちゃ」なのはどちらなのか。

「郵政民営化凍結法案を提出したのは、仰天するほどだ。国民新党を民主党との統一会派に引き込むためだが、古い自民党の政治構造復活を願う政治家との提携であると同時に、前回の総選挙で示された有権者の選択を歯牙にもかけないとの宣言であることが驚きなのだ」

このカーティス氏の「驚き」を私も共有したい。私の驚きは、民主党内から一切の異論が出ないことだ。

い まや、民主党は、国内政策では、05年の郵政総選挙での民意である「郵政民営化を入り口にした小さな政府路線」を否定して「大きな政府」路線を明確化して いる。国民新党と手を組むためだ。そして、対外政策では、「異常な国」路線を推進している。社共両党との野党共闘を維持するためだ。

民意 が民主党に期待しているのは、「異常な国」「大きな政府」路線をもって対決せよ、ということではないのではないか。昨日も書いたが、機能不全になるまでの 対決を支持する声は30%にすぎない。64%が協調路線を望んである。その協調路線とは、05年の総選挙で民意が与党に3分の2の議席を与えた「普通の 国」「小さな政府」路線に基軸に共同歩調をとの意味ではないか。

民意が求めているのは、民主党の「異常な国」「大きな政府」路線なのか。 それとも、「美しい国」という名の「普通の国」「小さな政府」路線を堅持する中で、懐深く、地方、家計、中小企業などに改革の恩恵がいくようにすることな のか。その選択をしていただく秋の臨時国会となる。

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