2012-04-08-143457-1昨日の産経新聞に尊敬する埼玉県知事上田清司の記事が掲載されていました。大変面白い内容なので少し長くなりますが、以下掲載させていただきます。

 

上田清司埼玉県知事 維新の会「まるでコーラ」

 

大阪維新の会を率いる橋下徹市長がいろいろと問題提起して政治が活性化するのはいいことですよ。でもみんながおびえて、ちょっとバタバタしすぎてるんじゃないかな。

 

橋下さんは急所を突くのが実にうまい。公務員や教員をいじめれば、そりゃあ国民には受けますよ。だけどコーラみたいなもの。スカッとするけど牛乳と違って栄養はない。問題があれば改めるべきだけど、公務員をいじめて生活保護が減ったり、学力や規律が向上するわけないじゃない。

 

スカッとするけど

 

 歴代5人の首相が1年程度で代わるような状況が続くから「首相公選制だ!」。衆参ねじれで政治が停滞しているから「国会議員を減らして一院制だ!」。これもコーラに近いよね。せっかく政治への関心を引き付けたんだから、そこから実現性のある政策に打ち込んでいくならいいんだけど。

まず言いたいのは、地方自治体でいきなり制度改革をぶち上げなくてもできることはたくさんあるってことですよ。わかりやすい例は治安。埼玉県は私が知事に就任するまで全刑法犯の検挙率で大阪府とワースト記録を争っていました。警察官は知事の権限で増やせないので、皆さんに呼びかけて民間のパトロール団体を増やしてもらった。その結果、平成16年に比べ23年の埼玉の刑法犯認知件数は45%減。検挙率も46位から41位になっている。

経済も同じ。県の制度を利用する限り中小企業が無担保無保証で融資を受けられる制度を整えるなど努力することによって事業所増加数は東京と競う状態になっています。国の制度を変えなくても、県民みんなを巻き込めば実績を積み上げることができるんです。

ところが、官邸も霞が関も、国民を巻き込むどころか国民から遊離しちゃっている。私も民主党出身だけど、民主党政権となり国家戦略担当相が新設されたとはいえ、経済・産業政策で目を見張るようなことは何もできていない。

 

「今は経済だ」

 

 クリントン元大統領のセリフじゃないけど「おばかさん、今は経済だ!」と言いたいですね。人口動態を踏まえた将来の経済・産業ビジョンを考えるべきなんだ。世界に冠たる技術を持ちながら後塵(こうじん)を拝しているのはもったいないですよ。

実は、維新の会のブレーンとなっている山田宏元杉並区長や中田宏元横浜市長らは「もっと実務者を集めるべきだ」と考えたみたいで、私に「協力できないか」と言ってきたんですよ。でも「上田くらいは落ち着いて県政をやると思ったのに」と言われるのもどうかと思ってね。石原慎太郎都知事の新党構想も残念ながら制度論や理念の方が強いようだしね…。

明治維新前夜、倒幕の主体になった薩摩藩と長州藩に共通しているのは藩財政を均衡させ、産業育成に成功したことなんです。足元を立て直したからこそ、活力ある人材をどんどん輩出することができた。

だから私は、維新の会など多くの皆さんに政治を揺さぶってもらい、目立たないように陰に隠れて“藩”の体制をしっかり立て直し、来るべきときに備えてパワーを養っておきたい。その上で「真のプレーヤー」として登場するようにしましょうか。いやいや、これは冗談だからね!(佐々木美恵)

 

写真は本日撮影、吹上の桜です。きれいでした。