015先日、ブログに横浜市の公立高校について書きましたが、先日の読売新聞にこれに関連した社説が書かれていたので掲載します。「所得格差が教育格差に、それが所得格差につながる、という連鎖を防がねばならない。」まったく同じ意見です。

 

読売新聞社説

家庭の所得格差が、子どもの受けられる教育の質や量の違いにつながらないよう、国は必要な投資をすべきだ――

 政府の教育再生懇談会の第4次報告の要点は、ここにある。もっともな指摘だろう。

 報告は、他の先進国に比べて幼児教育と高等教育への公的支出が少ない点を重視し、その私費負担の大きさは「看過できない水準にまで至っている」としている。

 人格形成のスタートにあたる幼児教育の充実に、異論を挟む人はいないだろう。

 内閣府などの調査では、希望する人数の子どもを持つことに消極的な理由として、多くの人が経済的な負担を挙げている。

 このため、報告は、幼児教育無償化の早期実現を目指しつつ、当面、幼稚園に子どもを通わせる親への補助など市町村の施策を国が支援するよう求めている。家計の負担を減らすことは、少子化対策にもつながるだろう。

 一方、4年制大学への進学率は約50%に上るが、実際には親の経済力によって大きな差がある。年収400万円以下だと約30%、1000万円超であれば約60%と、2倍もの開きが出ている。

 文部科学省の推計では、標準世帯で、子ども2人がともに大学生の場合、その費用は家計の3分の1を占める、という。

 別の調査では、幼稚園から大学卒業までの教育費は、すべて国公立でも約900万円、一貫して私立だと約2300万円に上る。

 奨学金や大学独自の授業料減免などの制度もあるが、それでも断念せざるをえない若者がいる。親が低所得のため進学をあきらめざるをえず、学習意欲にも影響が出る、と指摘する専門家もいる。

 所得格差が教育格差に、それが所得格差につながる、という連鎖を防がねばならない。

 高等教育への公的支出を充実させ、意欲や能力のある者が進学したり研究に専念したりできる環境を整える。それは、資源の乏しい日本が、技術立国として存在感を発揮していくうえで不可欠な人材の育成にもつながるはずだ。

 幼児教育と高等教育を結ぶ小中高校という初等中等教育が、重要なことは言うまでもない。

 報告が、塾に通わなくても確かな学力を身につけられるよう、保護者から信頼される公教育の確立を掲げているのは当然だろう。

 教育費のあり方については、文科省の懇談会でも有識者による検討が始まった。今回の報告も参考に、議論を深めてもらいたい。